ソフトバンクグループの創業者、孫正義氏のメンターとは?

孫正義

[引用] http://gqjapan.jp/

孫正義

いまや、孫正義氏の名前を一度も聞いたことがないという人はほとんどいないのではないでしょうか。かのソフトバンクグループの創業者であり、プロ野球の常勝チームとして人気のある福岡ソフトバンクホークスのオーナーでもあります。

2016年7月、世界を驚かせた発表

そんな、孫氏が、2016年7月に世界を驚かせる発表をしました。

イギリスの半導体大手ARMを約3.3兆円で買収するというのです。

しかも、保有しているアリババやガンホーの株式を売却して2.3兆円の現金を作り出し、残りの1兆円をみずほ銀行からつなぎ融資で、完全に単独買収するのです。

実はこのARMという企業、知名度こそ低いものの、スマートフォン向けのCPUでマーケットの95%のシェアを握っているというお化け企業なのです。しかも、いわゆる半導体メーカーではなく、他の半導体メーカーにCPUの設計データを提供するというライセンスビジネスを主としています。

このARMを買収するに至った理由を孫氏はこう言っています。

「10年後にソフトバンクグループの中核となる企業を手に入れたかったから」だと。

孫氏のこれまでの経歴は?

孫氏の過去を振り返ると、これまでも卓越した先見の目から、数々の天機を捉えてきました。

米国での学生時代に、シャープに自動翻訳機を売り込み、取得した1億円を元手に、米国でソフトウェア開発会社の「UnisonWorld」を設立しました。そして、大学卒業後、孫氏は日本に戻り、「日本ソフトバンク」を設立します。

その後、米ヤフーと合弁で、ヤフー株式会社を設立し、今や誰もが知っているヤフー・ジャパンを展開することとなります。

また、現在の携帯ビジネスへの参入は、日本テレコムの買収からはじまり、続いて英国のボーダフォンを買収。これによって、ボーダフォンの携帯ビジネスの基盤とノウハウを手に入れたのです。

さらに、スポーツビジネスにも進出し、福岡ダイエーホークスと福岡ドームを買収。いまや常勝チームとして、人気のある球団へと育っています。

10年後の未来は、IoT「Internet of Things」だと確信

それでは、今回買収したARMについて、孫氏は、なぜ、「10年後にソフトバンクグループの中核となる」と思っているのでしょうか。

それは、10年後の未来は、IoT「Internet of Things」だと確信しているからです。IoTとは、家電や自動車、宅配便の荷物まですべてのモノがネットワークに接続され、情報をやりとりすることで、現在よりも圧倒的に世の中の効率がよくなるというコンセプトです。このような技術の発展による激的な生活の変化の中で、ほとんどの電機メーカーが必須となるものこそ、ARMの技術なのです。

つまり、ARMを買収することで、10年後には世界の中心になれると感じたからではないでしょうか。このように、天機とみるや、大胆な買収により企業を大きくしてきた孫氏ですが、彼にもまた、メンターの存在があります。

藤田田(ふじたでん)氏 / 日本マクドナルドの創業者

藤田田

[引用] http://www.yomiuri.co.jp/

有名な話ですが、孫氏がまだ高校生のころ、何度も面会を申し込んでは断られ、挙句の果てにアポイントなしで会社まで押しかけた人、藤田田氏です。

知る人ぞ知る、日本マクドナルドの創業者であります。

雑誌プレジデントの対談で、ユニクロの柳井氏に、孫氏はこう言っています。

「私は藤田さんが書いた『ユダヤの商法』(藤田田著)を通して、マクドナルドとレイ・クロックがいかに優れているかを知ったのです。まだ久留米にいた頃ですから高校生で、アメリカへ留学する前のことでした。『ユダヤの商法』が出た昭和40年代後半、日本の小売店や飲食業はまだ産業とはいえなかった。デパートやスーパーマーケットは「科学的な」経営に移りつつあったけれど、小売店、飲食業は独立した店舗がそれぞれの町にあっただけ。そんな時代にマクドナルドの経営戦略を知って非常に興味を持ちました。」

高校生だった孫氏は、藤田氏の秘書に電話をかけ、大胆にも「3分間、社長室の中へ入れてくれればそれでいい。」というメモを藤田氏に渡してもらい、見事15分の面会を勝ち取ったのです。

その時に藤田氏は、「これからはコンピュータビジネスの時代だ。オレがおまえの年齢だったら、コンピュータをやる」と言ったようです。

この藤田氏の助言が孫氏のそれからの人生に大きく影響を与え、デジタル情報革命に命を賭けるようになったと言われています。

孫氏が成功した後、藤田氏は、過去を振り返り、その時のことをこう言っています。

「この人ならきっと成功すると思った。彼は粘り強くて熱心でしょう。あんなしつこい人は後にも先にもいませんよ」と。

独自な見解から「メンター」について語った孫氏

孫正義氏と坂本龍馬

藤田氏というメンターの他にも多くのメンターを大切にしてきたと言われる孫氏。そんな孫氏がかつてインタビューにて、独自な見解から「メンター」について語ったことがあります。

「私にもまだヒーローは沢山います。スティーブ・ジョブズがそうですし、ビル・ゲイツも私のヒーローです。まずはそういう自分のヒーローを持つことです。もちろん私があなたのヒーローということであれば、私は非常に嬉しいです。ただあまりにも偉大な人物が沢山いらっしゃる。そしてそういった方々から学び取ろうという情熱を持っていれば、自分自身がお手本としている人のようになろうとすること自体が良いことなんです。そういった意味で16歳の時から私の一番のヒーローは坂本龍馬だったんです。だからこそ私は海外留学という道を選んだのです。特に若い時に自分のヒーロー、その人のようになりたいということを夢見るのは、自分にとって非常に役立つことだと思います。

メンターにも2種類あると思います。物理的なメンターと言うんでしょうか。実際にあなたにガイダンスを与えて支援をし、日常において助けてくれる人です。もうひとつは、物理的に支援をしてくれるわけではないが、精神的に支えてくれるメンターだと思います。相手が男性でも女性でも良いですが、その人についての映像や本を見て読んで学ぶこともできると思います。そして彼が自分だったらどう考えるだろうかという風に自分で考えてみる。そういったバーチャルメンター、つまりあなたの心の中のメンターというのも、時にはより重要な役割を果たしてくれるのではないかと思います。そういうメンターであれば誰にでもなってもらえるのです。そして絶対に断られることはありませんから。」

孫氏にとって、物理的なメンターが藤田氏であれば、精神的に支えてくれるメンターは坂本龍馬だったのです。

出典

http://gqjapan.jp/
http://www.yomiuri.co.jp/

孫正義