「伝説の経営者」と呼ばれるジャック・ウェルチ氏の3名のメンターとは?

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[引用] http://quotesgram.com/

多くの経営者が師と仰ぐジャック・ウェルチ氏(”Jack” Welch)

ジャック・ウェルチ氏といえば、ご存知の方も多いことでしょう。1981年から2001年までの20年間、GE(ゼネラル・エレクトリック)社の顔として活躍し、売上高を5.2倍、純利益を8.4倍に拡大したカリスマ経営者です。

その経営手腕から「伝説の経営者」と呼ばれていて、現役を退いた現在でさえも、多くの経営者が師と仰ぐ存在です。

ものすごいスピードで出世街道を爆進

そのウェルチ氏 は地元のマサチューセッツ大学を卒業し、イリノイ大学で博士号を取得した直後に、GE社に入社しました。

しかし、当時は官僚的な組織で、その場に馴染めず、また、昇給が僅かだったこともあり、自分の専攻が活かせる化学薬品の会社に転職しようと早くから退社を考えていました。

しかし、役員であったルーベン・ガトフ氏が「失うのは惜しい」とウェルチを引き止め、なんとか残ることになりました。

このように、決して幸先の良い船出ではありませんでしたが、彼はそこからものすごいスピードで出世街道を爆進していきます。
1972年に同社副社長、1977年に上席副社長、1979年に副会長、1981年には同社で最年少の会長兼最高経営責任者と、駆け足で頂点まで登りつめるのです。

さらに、1999年には『フォーチュン』誌で「20世紀最高の経営者」に選ばれ、年収も9400万ドルに達しました。(1ドル=110円計算で、約103億円)

非常に大きな影響を与えたメンター ピーター・ドラッカー氏

ウェルチ氏の経営手法は?

ウェルチ氏の基本的な経営手法は、(1)「リストラ」「ダウンサイジング」と呼ばれる大規模な整理解雇による資本力の建て直しと、(2)企業の合併・買収(M&A)と国際化の推進です。さらに、「世界で1位か2位になれない事業からは撤退する」と主張し、会社は守るが、人材を守らないことから、「建物を壊さずに人間のみを殺す中性子爆弾」の特性になぞらえて「ニュートロンジャック」とも言われていました。

ピーター・ドラッカー氏:1980年代に整理解雇ブームを惹き起こす

このウェルチ氏に非常に大きな影響を与えたメンターが、ピーター・ドラッカー氏です。彼こそが、1980年代のアメリカにおいて、整理解雇ブームを惹き起こした人物でした。

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[引用] http://www.inc.com/

ドラッカー氏のアドバイスをウェルチ流に解釈

ウェルチ氏はGEのCEO就任後、すぐにドラッカー氏のもとに教えを請いに行っています。そして、ドラッカー氏が、ウェルチ氏に「世界で1位か2位になるつもりの事業だけ残して、あとはすべて捨てたらどうか」とアドバイスした人物だと言われてきました。

ウェルチ氏はその方針を貫き、結果的にGEを大躍進させたのですが、実はドラッカー氏のアドバイスは異なるものだったと、後にウェルチ氏本人が語っています。

ドラッカー氏は、「ワクワクドキドキしてやっている事業以外は、すべて止めたらどうだろう。ワクワクしながら、意気込みを持ってやるような仕事でなければ、お客に対して失礼だ」とアドバイスしたそうです。

そのアドバイスをウェルチ流に解釈し、自分の流儀としてビジネスに落とし込んだのでしょう。

もうひとりの凄腕メンター マーシャル・ゴールドスミス氏

さて、ウェルチ氏には、もうひとり、凄腕のメンターがいました。 マーシャル・ゴールドスミス氏です。

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[引用] http://www.marshallgoldsmithgroup.com/

世界的大企業の名経営者80人以上をコーチした

ゴールドスミス氏は、世界的大企業の名経営者80人以上をコーチし、GEだけでなく、Googleやゴールドマンサックス、モトローラなどの大企業でエグゼクティブ開発に携わったことで知られています。

また、ゴールドスミス氏は、ウェルチ氏が信奉したドラッカー氏の財団の役員を10年間務めていました。

彼はまた、ウォールストリート・ジャーナル紙からは「エグゼクティブ教育のトップ10人」に、全米経営者協会からは「過去80年間、マネジメント分野で最も影響を与えた50人の偉大な思想家・リーダー」に選ばれています。

ゴールドスミス氏の尽力がありウェルチ氏の大爆進が始まる

このゴールドスミス氏本人が言うには、
「GEの前会長兼CEOのジャック・ウェルチ氏が次期CEOの座を争っていた時に問題になったのが、彼の言動でした。 大きな態度、歯に衣着せぬ物言い、優秀でない者に寛容でない…。GEの取締役会は彼の利益を生み出す能力については、全く心配していませんでした。懸念していたのは、CEOとしてふさわしい行動が取れるかどうかだったのです。 」と。

結局、メンターとしてのゴールドスミス氏の尽力があり、ウェルチ氏はGEのCEOに選出され、そこから20年間にもおよぶ大爆進が始まったのです。

ウェルチ氏が「経営の神様だ」と称する日本人:美川英二氏

その20年間、ウェルチ氏は前述したように、「ニュートロンジャック」と呼ばれるほど非情な経営手法をとってきました。しかし、その一方で、彼とは逆の経営手法をとっていた美川英二氏(横河電機元社長)のことを「彼こそ経営の神様だ」と評価しています。

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[引用] http://business.nikkeibp.co.jp/

ウェルチ氏は、美川氏をメンターのひとりとして、長きにわたり良い関係を保ってきました。

その美川氏の経営手法とは、終身雇用を最重視し、企業の適正規模は今のコンピューター社会でも2000人までが限度と説き、総務課までをも社内分社化するというものでした。

ウェルチ氏は美川氏、そして、日本から経営方法を学ぶべく、GEと横河電機株式会社の合資会社として横河メディカルシステム株式会社を設立し、その後、GE横河メディカルシステム、さらにGEヘルスケア・ジャパンと改称して、現在に至っています。日本の良き経営手法を現在も保有しているGEグループのいち企業として、日々成長し続けています。

出典

http://quotesgram.com/
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http://business.nikkeibp.co.jp/

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